三川内焼
将軍家に献上された、白磁の美
四百年以上にわたり、三川内焼は受け継がれてきました。
将軍家に献上された白磁には、極限まで磨かれた技と、日本人が大切にしてきた静かな美意識が息づいています。
一つひとつの作品に宿るもの——それは職人の手仕事であり、時代を超えて受け継がれてきた文化の物語です。


江戸時代から続く窯元・平戸悦山。その一子相伝の技を受け継ぐのが、次代15代目・今村ひとみさんです。
幼い頃からものづくりに親しみ、父・今村均さんのもとで三川内焼の技術を学んできました。白磁の器や干支の置物をはじめ、代々受け継がれてきた郷土玩具「舌出三番叟人形」など、伝統の技を大切にしながら、自らの感性を重ねた作品づくりにも取り組んでいます。
今村家の歩みは、三川内焼の歴史そのものと深く重なります。その祖先は、三川内に平戸藩の藩窯が開かれた17世紀、白磁づくりと磁器技術の確立に携わり、藩窯の棟梁兼代官として三川内焼の礎を築いてきました。
父から受け継いだ技を自分のものとし、次の世代へつなぐ。
ひとみさんの手を通して、400年近く受け継がれてきた三川内焼の伝統は、今の暮らしに寄り添う新しい表現へとつながっています。
海を渡った、嘉久房の技
嘉久房で江戸時代から作り続けられてきた「舌出三番叟人形」。
首が回り、舌を出すという独特の仕掛けを持つ白磁の人形で、その製法は一子相伝の技として大切に受け継がれてきました。
1867年のパリ万国博覧会に出品された際には、ナポレオン3世の皇后ウジェニー妃の目に留まり、買い求められたことでも知られています。
三川内の小さな窯で生まれた白磁が海を渡り、遠くヨーロッパの人々を魅了した時代から150年以上。
その技は途絶えることなく、今も受け継がれています。
かつて海を渡った嘉久房の白磁。その物語は、次代を担うひとみさんの手によって、これからも新しい時代へと続いていきます。
今村ひとみ(平戸悦山)の作品
三川内で生まれ育った陶芸家、今村房の輔さん。
幼い頃から、両親が働く窯場は日常の一部でした。父がつくった白磁の器で食事をし、土や器に囲まれて育った房の輔さんは、有田でろくろを学び、京都での修業を経て故郷へ戻りました。
外の産地を知ったことで、改めて見えてきたのが、三川内焼の特別さでした。
房の輔さんが向き合うのは、絵付けに頼らず、白磁そのものの美しさを引き出すこと。
目指しているのは、白磁の美しさの中に、温かさを感じる作品です。
柔らかな曲線や、細胞のような造形、海で出会う生き物を思わせるかたち。そこには、白磁でありながら、どこか体温を感じるような生命の気配があります。
静かな白の中に、温かさを宿す。
房の輔さんは、受け継いだ白磁の技と美しさに、自分自身の感覚を重ねながら、新しい三川内焼のかたちを探し続けています。


暮らしの中で完成する器
三川内で生まれ育った陶芸家、今村房の輔さん。
幼い頃から、両親が働く窯場は日常の一部でした。父がつくった白磁の器で食事をし、土や器に囲まれて育った房の輔さんは、有田でろくろを学び、京都での修業を経て故郷へ戻りました。
外の産地を知ったことで、改めて見えてきたのが、三川内焼の特別さでした。
房の輔さんが向き合うのは、絵付けに頼らず、白磁そのものの美しさを引き出すこと。
目指しているのは、白磁の美しさの中に、温かさを感じる作品です。
柔らかな曲線や、細胞のような造形、海で出会う生き物を思わせるかたち。そこには、白磁でありながら、どこか体温を感じるような生命の気配があります。
静かな白の中に、温かさを宿す。
房の輔さんは、受け継いだ白磁の技と美しさに、自分自身の感覚を重ねながら、新しい三川内焼のかたちを探し続けています。
















